黒留袖の題材になっているバラの花、観賞用として栽培されることが多いですが、花弁から抽出されてローズオイルとして香水の原料やアロマオイルに用いられることも多いですね。中東やインドではデザートの香り付けに、乾燥した花弁はガラムマサラに調合されて使用されています。ペルシャでは薬用としても用いられたりします。世界中の女性たちに愛されている理由もわかりますね。バラ全体の花言葉は「愛情」や「美」です。中央に描かれている白薔薇は「純潔」や「私はあなたに相応しい」「深い尊敬」「清純」を意味しています。ともに描かれている小さな桜の花ですが平安時代より五穀豊穣の神が宿る木とされ、「豊かさ」や「新しい門出」を意味し、お祝い事には好まれて描かれてきました。この留袖の題材にある「エメラルド」は、歴史が古く世界の4大宝石に数えられています。ギリシャ時代エジプトの紅海の近くで発見されたとされています。エメラルドはサンスクリット医学では「解毒」のほか「てんかんを治す」「肝臓病を治す」とされていました。また中世では「未来を予言する力がある」と言われたり、「女性の貞節を守り夫の愛を保つ」とされていたようです。エメラルドの意味はほかに「幸福」「希望」「安定」があります。