沸き立つ雲と雅な花模様を描く地紙が美しい訪問着。様々な花模様は着るものの姿を華やかにしてくれます。龍や神の住処とされ、常識を超えた力と結びつけられやがて良いことが起こる前兆としてよく好まれ描かれる雲の形の「雲どり」は繰り返し沸き立つ様から輪廻転生の意味を持つとされています。その雲柄を従え様々な吉祥の意味を持つ絵柄が添えられています。この訪問着の題材と言える「鼓」は、元来神との交信に使用されてきたとされています。鼓など音のなる楽器は目に見えない空気を振動し浄化すると言われています。また音が良く鳴るを「物事が良く成る」との意味も込められています。鼓を囲むように描かれている牡丹の花は、花の中で百花の王と呼ばれるほど美しくその姿を女性の姿に例えられるほどですね。「幸福」や「高貴」の意味を持っています。さらに「無病息災」や「長寿」の意味を込められた菊の花も描かれ豪華さを増していますね。それらを後押しするように描かれている梅の花は、「忍耐力」や「美」を意味しています。冬の寒さを耐え忍びいち早く香り豊かな花を咲かせることからその意味が込められたのでしょう。事の流れを美しく表現した訪問着は素敵な意味を込められた花々で装いを色艶やかにしてくれることでしょう。