地紙に描かれた花々が美しい薄グリーンの色留袖。ヱ霞と流水が時の流れを穏やかに感じさせてくれています。流水は生命にとってかけがえのない水の流れを表しており、水は腐らず清いことから、「苦難や災厄」を流すと言われています。またお浄めや火難除けのお守りとしても意味が込められています。ヱ霞は時間の流れや場所の奥行などに使われる技法です。地紙に描かれている花々にも喜びの意味が込められています。コロンと可愛い「菊の花」は、長寿の象徴や無病息災や邪気払いなど心身を安定するなど様々な意味を持っています。皇家の紋章としても有名ですね。「椿」は樹齢が長く霊木と言われており、聖なる木であり神秘的で不思議な魅力があります。厄除けや不老長寿としての意味合いがあり古来より縁起の良いものとされてきました。「菖蒲」の花の剣状の葉は香気が強く、邪気を払う薬草として古来より珍重されています。健康を保つとされ端午の節句にお風呂に入れて入るのは有名です。「コスモス」の花は調和を意味し、とくにピンクのコスモスは「乙女の純潔」の意味があります。名前の由来はギリシャ語「KOSMOS」から由来しているそう。花びらが整然と並ぶコスモスは「秩序」があり「調和」を保ち「世界」「宇宙」をも表しています。