正倉院文様がひときわ美しい色留袖。絢爛豪華な金箔と共に描かれた宝相華もきらびやかに彩を添えています。正倉院文様は古くは奈良時代に東大寺の大蔵に収められていた法具や染織を楽器や調度品に描かれたものと言われています。花を始め、動物、宝など組み合わせて図案化されています。格の高い文様としておめでたいお着物や帯に好まれて描かれています。正倉院文様と共に描かれている宝相華は、5弁の花びらをもつ空想上の花を描いたものです。牡丹の様で桜の様、見る側の気持ちで多様な表情を見せてくれるので見飽きない花柄とも言えますね。奈良・平安時代より装飾文様として盛んに用いられています。正倉院文を取り囲むように描かれている鳳凰は、空想上の霊獣と言われています。頭は鶏、首は蛇、背中は亀、尻尾は魚、鳳凰の卵は不老長寿の妙薬で生き返り、若返るとも言われています。また「平和で誰もが幸せになれる世界が到来」する際現れる鳥で　高貴で聖なるものとされています。霊泉を飲み120年に一度だけ竹の実を食し、人の人格を見定め栄誉ある人々や親切な人々を祝うとされています。なんとも素敵な意味が込められた素敵な色留袖です。