スカイブルーのような水色から赤紫色、そして濃紺へと変化する地色に、大輪の薔薇が大胆に配された振袖です。この振袖は、1999年のパリコレで第42回FEC特別賞受賞のファッションデザイナー・ヒロミチナカノによるものです。上前中央に置かれたメインの模様は、ラメ糸で刺繍がほどこされた薔薇。ラメの輝きが、薔薇の花を立体的に見せてくれます。女性に人気の薔薇は、ギリシャ神話にあるように「美と愛」の象徴。女神アフロディーテ(ビーナス)にささげられた花としても有名です。薔薇とたわむれる蝶はデザイン化され、可憐な印象です。着物柄の蝶には、大まかに3つの意味が込められています。まずは「立身出世」と「未来の開拓」。どちらも蝶が空を昇るイメージから来ている意味ですが、人生の岐路に立つ女性には心強い模様ですね。3つめは「夫婦円満」。結婚披露宴のゲストとして蝶柄を選ぶ場合は、主役を祝福する意味になります。そんな素敵な意味が込められた柄の振袖は、佳き日のシーンであなたを輝かせてくれるでしょう。