ご親族として結婚式に招かれたとき、あるいは格式ある式典への出席が決まったとき、「訪問着でよいのか、それとも色留袖が正しいのか」――そんな迷いを抱く方は少なくありません。
色留袖は、黒留袖に次ぐ格式をもつ『準礼装』の着物。
現在ではデザインや着用シーンの幅が広がり、訪問着との違いが分かりにくくなってきているのも事実です。
本記事では、色留袖の基礎知識から訪問着との違い、地域による着用傾向の違い、そして今どきの色留袖事情まで、初めての方にもわかりやすく解説いたします。
色留袖とは？格式と特徴を知る
色留袖（いろとめそで）は、黒以外の色地に裾模様が描かれた、未婚・既婚を問わず着用できるフォーマルな着物です。
主な特徴は以下のとおりです。
- 裾模様のみで、上半身は無地（帯まわりがすっきり）
- 袖に『振り』がなく落ち着いた印象
- 家紋の数で格が変化
- 五つ紋：第一礼装として使用可（黒留袖と同格）
- 三つ紋・一つ紋：準礼装扱い
- 紋なし：略礼装（格式の必要ない場向け）
訪問着との違いは「立場」と「目的」に表れる
色留袖と訪問着は、華やかな印象では似ていますが、装いの『意味』が異なります。
| 比較項目 | 色留袖 | 訪問着 |
|---|---|---|
| 格式 | 準礼服～第一礼服 | 準礼服 |
| 主な着用者 | 親族、上席のゲスト | 友人、知人、会社関係者 |
| 着用目的 | 結婚式、叙勲式、公式な式典 | 結婚式（ゲスト）、七五三、お宮参り |
| 柄の位置 | 裾模様のみ | 袖・胸・肩・裾に連続した模様（絵羽模様） |
色留袖は「立場をわきまえた装い」として選ばれる一枚。
特に親族側として出席する際は、訪問着よりも色留袖を選ぶのが安心です。
地域によって異なる、着物選びの価値観
着物の選び方には、地域による考え方の違いも存在します。
「親族＝黒留袖または色留袖」が一般的で、五つ紋付きで揃えることが多いです。
親族の格を揃える文化が根づいています。
もう少し柔軟で、親族でも訪問着を着るケースがあります。
格式よりも華やかさや調和を重視する傾向が見られます。
どちらの地域でも「品よく、場にふさわしいこと」が何よりも大切とされています。
今どきの色留袖事情
最近では、色や柄、紋の扱いなども自由度が広がり、装いの選択肢が豊富になっています。
淡いグレー、くすみピンク、ミントグリーンなど、肌なじみがよく写真映えする上品カラーが人気です。
昔ながらの吉祥文様に加え、現代的な花鳥風月やモダン柄など、控えめな中にも華やかさを感じるデザインが増えています。
- 式典や親族としての結婚式には「五つ紋」
- 知人の式やややカジュアルな場には「一つ紋」または「紋なし」
当店の色留袖レンタルについて
当店では、すべて五つ紋付き・正絹の色留袖を厳選し、格式を求められる場にも安心してご着用いただける一式を揃えております。
帯や小物もすべてセットになったフルレンタル形式で、着付けに必要なものが一通り揃っておりますので、初めての方でも安心です。
- ご自身の立場や用途に合わせたご提案も可能
- コーディネートのご相談はメール中心に、必要に応じてお電話でも対応可能
- シンプルな選択画面とわかりやすい商品情報で、迷わず選べると好評です
色留袖の選び方
新郎新婦の姉妹・親族女性が色留袖を選ぶシーンも増加中
新郎新婦のご姉妹がご参列される際、かつては既婚であれば黒留袖が一般的とされていましたが、近年では結婚式の華やぎを意識して、色留袖を選ばれる方が増えています。
特に、吉祥文様や有職文様などの古典柄をあしらったパステルカラーの色留袖は、若々しくやわらかな印象を与え、ピンクやイエローなど明るい色合いが会場にやさしい華やかさを添えてくれます。
20代後半〜30代後半のご姉妹世代を中心に、人気のスタイルとなっています。
また最近では、30代の未婚女性がご親族として出席される際にも、色留袖を選ぶシーンが見られるようになってきました。
本来、未婚の第一礼装は振袖ですが、「未婚の象徴」とされる振袖に抵抗を感じる年齢層の方が、格式を保ちながら落ち着いた印象を演出できる色留袖を選ばれるケースが増えています。
当店では、必ずしも形式にこだわりすぎる必要はないと考えています。
現代の結婚式では、細かな服装のルールが厳格に問われることは少なく、ご家族やご親族同士の気配りが何よりも大切。
そのため、ご自身の立場や年齢、そして「自分らしさ」に合った一枚を自由に選んでいただくことをおすすめしております。
画像をタップで商品ページへ
新郎新婦の伯母・叔母がまとう、品格と華やぎを両立する色留袖
結婚式や披露宴にご列席される40代後半から60代前半のご親族女性――特に新郎新婦の伯母や叔母にあたる方には、大人の華やかさと格式を兼ね備えた色留袖がおすすめです。
「派手に見えてしまうのでは…」とご心配される声もありますが、たとえば桂由美氏が手がけたような色留袖には、伝統美とモダンな感性が融合されたエレガントな魅力があります。
若い世代の『可憐な華やかさ』とは異なり、人生経験を重ねた女性だからこそ引き立つ、『落ち着いた華やぎ』をまとうことができます。
深みのある色合いや品のよい吉祥文様を選ぶことで、控えめでありながら印象に残る上品な装いが完成します。
格式ある場にふさわしい佇まいを大切にしつつ、ご自身らしい華やかさを添えて――
伯母・叔母という立場だからこそ叶う、美しい色留袖スタイルをお楽しみください。
画像をタップで商品ページへ
新郎新婦の祖母が選ぶ、気品あふれる落ち着きの色留袖
お孫さまの結婚式という晴れの日には、70代以上のご祖母様にふさわしい、落ち着いた地色と控えめな柄行の色留袖がおすすめです。
たとえば、グレーや紺、深緑などの渋めの色調に、吉祥文様などの古典柄が小さく上品にあしらわれたものは、会場の雰囲気に自然と溶け込みながら、奥ゆかしい存在感を引き立ててくれます。
立場や関係性に応じた装いの選び方も
黒留袖・色留袖は、ご親族としての正式な場にふさわしい第一礼装として選ばれることが多く、祖母としての誇りや落ち着きある品格を表す装いとして支持されています。
一方で、ご友人やご近所のお孫さまの結婚式など、やや関係性が離れたご列席の場合には、控えめな色柄の訪問着を選ばれるのも素敵な選択肢です。
ご年齢を重ねられたからこそ醸し出される静かな気品と穏やかな華やかさをさりげなく映し出す一枚を、立場に応じて上手に選ぶことが、大人の着こなしの美しさにつながります。
まとめ
色留袖は、大人の女性が『品格』と『華やかさ』を両立できる礼装着物です。
訪問着との違いや地域の慣習、現代的な傾向を知っておくことで、ご自身の立場や目的に合った装いを自信をもって選ぶことができます。
大切な一日を、凛と美しく。
一枚の着物が、きっと心に残る思い出を彩ってくれるはずです。
高品質の衣裳を、驚きの価格で
着物レンタル専門店 マイセレクト
創業50年の歴史を誇る老舗貸衣裳店が運営する
ネット着物レンタル専門店。
結婚式衣裳や七五三、産着など豊富なラインナップを
ご用意しております。
ネットレンタルだからこそ、お客様に安心して、
そして便利にお買い物を楽しんでいただける
お店づくりを目指します。
